フランスのシューズメーカー「パラブーツ」のギリーシューズです。
ケルトの舞踏靴が起源と言われる、ギリーシューズのデザインをモチーフにした珍しいデザインです。ギリーシューズ風ですが、タン(ベロ)があり、実際の履き心地に違和感はありません。
約30年前に渋谷のショップで購入しました。さすがに昔のことなのでどんなショップだったかは覚えていません。靴屋さんだったような気もしますし、服屋さんだったかもしれません。当時の値段は3万円台だったと思います。靴を買う予定もなく、パラブーツに興味もなかったのですが、店頭で試着して、衝動買いです。
同じころにキャンプスで紺のカシミヤのジャケットを買いました。今見ると肩も襟も大きく、ゴージライン(上衿と下衿を縫ったところのライン)が低い、昭和の香りのするデザインです。このジャケットのレトロ感と比べると、パラブーツのほうはそれほど時代を感じさせません。
「パラブーツ」の創始者がブラジルPARA港から輸入した天然ラテックスをソールに使用したことが社名の由来になっています。「パラブーツ」ではラバーソールも自社製です。
使用頻度はそれほど高くなくても、それなりには履いていました。その割にはソールの減りは少なく、さすがパラブーツのラバーソールと感心します。
しかし、8年ほど前にソール(靴底)が剥がれるという変わったトラブルがありました。セメンテッド製法だったのでしょう。信頼のおける靴修理職人さんに相談したところ、元のソールを貼り直して、釘を打ち、コバ(靴底の周囲)をきれいに磨いてくれました。
(ソールに釘が見えると思います。)
このパラブーツのギリーシューズは、良い革を使って丁寧に作った靴だと思います。昔は今より良い革が手に入ったのでしょう。
服にも靴にも流行があるので、できるだけその時代に使ってやるのが持ち主の役目だとも思いますが、良いものは、いつまでも使ってやれるといいなと思います。