オールデンがプレーントゥ、エシュンがUチップとくれば、次に必要な靴はストレートチップです。仕事用ではどれでもOKですが、冠婚葬祭などのフォーマルな場面では内羽根式のストレートチップが間違いありません。
ストレートチップというのは、つま先に横一文字(ストレート)のラインが入っている靴のことです。
レザーソールでヒドゥン・チャネルという出し糸を隠す手間のかかる製法を施してあります。写真を見ていただくと、靴底にグットイヤー製法(ア・テストーニなのでボロネーゼ製法かもしれません)の靴の外周には通常見える糸が見えません。これはソールの外周をいったん薄く削いでから、通常通り糸で縫い、そのあとに薄く削いだところを接着しているのです。
靴底なのにわざわざここまでの手のかかることをする。これぞイタリアのエレガンスというものなのでしょう。私は靴にそこまで求めませんが、美しいのは確かです。私の持っている(持っていた)靴の中では、この靴と竹ケ原敏之介の靴底が手の込んだ美しい仕上がりでした。皮革工芸品ですね。
さすがにこの靴底にラバーは貼りにくいので、フォーマルな場面を中心に大切に使おうと考えていました。写真は室内で数日はいた後に撮影したものです。
オールデン(アメリカ) プレーントゥ ビジネス用
エシュン(フランス) Uチップ 少しカジュアル寄り、スーツからジャケットまで
ア・テストーニ(イタリア) フォーマル用
この3足はそれなりにバランスがとれていると思いますが、ア・テストーニはオールデンやエシュンのように10年間酷使という名誉ある主力靴にはなれませんでした。
サイズが小さかったのです。
何度か書きましたが、少し小さめをジャストフィットと思い込んで購入していた時期が長かったので、そのために失敗しました。
この靴はもう一つ特徴がありました。履いているうちにインソールが足の形状を複写するのです。もうそのインソールの商品名は忘れましたが、本格的なレザーシューズで、インソールが当時のハイテク仕様ということが衝動買いスイッチを押したのでした。偏平足なもので。